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【事例あり】現場の課題を解決! 製造業における属人化解消の方法とは?

製造業の見積りや図面管理では、「あの人がいないと分からない」という場面が起こりがちです。見積りの回答スピードはベテラン担当者の手が空くかどうかで決まり、過去の図面を探すときも、結局はその人の記憶に頼ることになります。

今回紹介する3社も、見積り業務の集中、図面検索、若手への引き継ぎと、それぞれ違う課題を抱えていらっしゃいました。

3社が取り入れたのは、個人の経験や記憶を、複数名で参照できる情報として残す仕組みです。

この記事でわかること

・属人化の意味と、製造業の見積り・図面管理で起こる原因
・属人化が業務や技能継承に及ぼす3つのリスク
・属人化を解消するための2つの方法
・SellBOTを導入した製造業3社の取り組みと変化

株式会社REVOX担当者

この記事を書いた人

株式会社REVOX担当者

マーケティング担当 朝波 義直(あさなみ・よしなお)

製造業向けクラウドサービス「SellBOT」のマーケティングを担当。カスタマーサクセス業務や顧客データ運用に携わった経験を活かし、現在は製造業の調達業務・見積り・図面管理を中心に、AI・DXを活用した業務効率化や属人化解消について情報を発信しています。

製造業の現場で起こる業務課題を整理し、実務に取り入れやすい形で分かりやすく伝えることを大切にしています。

そもそも製造業の「属人化」とは?

属人化とは、特定の個人の知識、経験、スキルに依存して業務が行われている状態を指します。製造業において、この問題は特に顕著に表れることがあります。

例えば、ベテラン社員Aさんだけが知っている機械の調整方法や、熟練工Bさんにしかできない高度な加工技術など、特定の個人に頼らざるを得ない状況が属人化の典型例です。

「その人しかできない」より、「その人しか分からない」が属人化の問題

熟練者にしかできない加工や難しい判断があること自体は、製造業の強みです。

属人化の問題は、その人が何を見て判断したのか、どこを探せば必要な情報があるのかを、ほかの社員が確かめられないことにあります。

たとえば、最終的な価格決定をベテランが担っていても、過去の見積りや判断に使った条件を複数名が参照できれば、下準備や通常案件は分担できます。一方、簡単な作業でも、手順や保管場所を1人しか知らなければ、その人の不在時に業務が止まります。

つまり、属人化を考えるうえで確認したいのは、技術を持つ人の数より、“判断の手がかり”を共有できているかどうかです。 見直す対象も、担当者の人数ではなく、判断の根拠を残す仕組みだと整理できます。

製造業で属人化が起こる2つの原因

原因①:見積りの根拠が、担当者の頭の中にしか残っていない

見積り業務は、担当者の経験や相場感に頼りやすい仕事です。過去の実績を覚えていることが前提になると、単価を決めた根拠まで担当者の頭の中に残ってしまいます。

過去の見積書に金額だけが残っていても、なぜその単価にしたのかが分からなければ、次の見積りには使いにくいものです。似た案件が来るたびにベテランへ確認する流れが続き、見積りを作れる人が限られていきます。

同じように見える案件でも、数量や加工条件、外注の有無によって見積りは変わります。最終金額とあわせて、その判断に使った条件を残さなければ、担当者以外が過去実績を見ても再現できません。

原因②:過去図面の保管場所を、担当者しか把握していない

図面や過去案件を探す作業も同じ問題を抱えています。

特注品を多く扱う会社では、同じ製品の注文が数年に一度しか入らないこともあり、日常的に探さないぶん、検索の仕組みづくりが後回しになりがちです。

「あの案件、たしか3年前に似た形状を作ったはず」と思っても、それを覚えている担当者がいなければ探し出せません。

図番や品名の記録が十分でない場合、ファイル名だけを見ても目的の図面かどうか判断しにくくなります。数年ぶりにリピート注文が入ったときほど、当時の案件を知る人の記憶が検索の手がかりになります。

製造業で属人化が続くと起こる3つのリスク

BLP合同会社が2025年に発表した調査では、属人化した業務が「いくつかある」「たくさんある」と答えた製造業者は95.12%でした。属人化が続いたときに表れやすいのは、次の3つのリスクです。

リスク1…「担当者が不在」のときに対応が滞る

見積りの根拠や図面の保管場所を知る人が限られていると、担当者の不在時にほかの社員が対応できません。確認が取れるまで、お客様への回答を待つことになります。

作業そのものは代わりにできても、価格を決める根拠や使う図面を判断できなければ、業務は途中で止まります。依頼が重なる時期には確認待ちの案件も増え、担当者が戻った後の負担まで大きくなります。

とくに見積りは、回答の早さがその後の商談にも関わります。京都樹脂精工様では、営業担当者が不在の際に見積り業務が停滞し、回答に丸一日かかる案件もありました。担当者の不在や業務の集中は、社内の待ち時間だけの問題ではありません。

リスク2…ベテランの判断基準を引き継ぎにくい

判断の根拠が記録されていないと、ベテランが退職する際に技術やノウハウも失われるおそれがあります。労働政策研究・研修機構の「調査シリーズNo.194」(2020年発表)では、技能継承に問題があると答えた製造業の事業所は54.7%で、産業全体の35.4%を上回りました。

作業手順を教えるだけでは、条件に応じて単価や加工方法を変える判断までは伝わりません。過去にどのような条件で判断したのかを残しておくことが、引き継ぎの手がかりになります。

リスク3…若手が実務経験を積みにくい

特定の人に業務が集中すると、ほかの社員が見積りや図面検索に関わる機会も減りますよね。若手が判断の過程に触れにくいため、育成に時間がかかりやすくなります。

若手が入力や補助作業だけを担い、最終的な判断が毎回ベテランへ戻る体制では、経験を積める範囲も限られます。過去案件と判断結果を一緒に参照できれば、実務の中で考え方を学ぶ材料になります。

たとえば、類似案件の見積り金額だけでなく、採用した条件や結果まで確認できれば、若手は「どの情報を比べて判断したのか」をたどれます。

DXコラム

属人化解消は、完璧なマニュアルづくりから始めなくてもOK!

属人化対策というと、最初にすべての手順をマニュアルへまとめるイメージがあるかもしれませんが…、実際の製造現場には例外や条件の違いも多く、最初から完璧な文書を作ろうとすると、整理だけで時間がかかります。

まず残したいのは「次に同じ業務を担当する人が、判断の経緯をたどるための記録」です。

日々の案件で「なぜその判断をしたのか」「どの情報を参考にしたのか」を短く書き加えるだけでも、口頭だけの引き継ぎから一歩進めます。

共通する内容を後から手順書へまとめれば、最初からすべてを書き出す必要はありません。

ひつじ〜ぬ
ひつじ〜ぬ
完成したマニュアルを先に用意するより、実際の仕事から判断の記録を少しずつ残すほうが始めやすい方法ですね!

属人化の解消は「手順の標準化」と「デジタル活用」がある!

属人化の解消には、業務手順の標準化とデジタルツールの活用という2つの方法があります。

①手順の標準化:「判断基準」を誰でも確認できる形にする!

取り組みの出発点になるのが、現在の業務の流れを洗い出し、特定の人に頼っている工程を見つける作業です。

この単価は何を根拠に決めたのか?

似た案件はどこに保存されているのか?

上記をたどっていくと、どこにベテランの知識が集中しているのか?を再確認できます。

見積りであれば、金額だけでなく、数量や加工条件など判断に使った情報も一緒に残すと、後から経緯をたどりやすくなります。

ひつじ〜ぬ
ひつじ〜ぬ
図面も図番や品名、過去の案件と結びつけておけば、担当者が変わっても同じ情報へたどり着けますね!

②デジタル活用:過去の見積りや図面を「システム」に残す!

業務の流れを整理したら、次は社内の知識や過去の記録を一か所に集めます。ここで役立つのがAIやOCRを搭載したシステムツールです。

AIは過去のデータから似た案件を探し、OCRは画像や紙に書かれた文字を読み取ってデータに変えます。いわば、ベテランの頭の中にある知識を、みんなで使えるデータベースへ移すイメージです。

ちなみに当社開発の『SellBOT(セルボット)』では、見積り機能と類似図面AI検索機能が、過去情報の蓄積と検索を担います。

類似図面を検索できれば、正確なファイル名や保存場所を知らなくても、形状の近い過去案件を探せます。OCRで図面内の文字を読み取ることで、長い品名や型番を一つずつ入力する手間も減らせます。

【導入事例】SellBOT導入後、属人化はどう解消された?

ここからは当社開発のSellBOTをご導入いただいた企業様の、実際のリアルなビフォーアフターをご紹介します。ひと口に属人化といっても、会社によって困りごとは違います。

3社の違いは次の通りです。

企業名 導入前の課題 導入後の主な変化
京都樹脂精工株式会社 様 見積りが担当者の経験や在席状況に依存 誰でも見積り可能になり、作成時間約30%減
株式会社ファム 様 過去図面の検索が担当者の記憶頼み 図面検索時間90%減
東洋スクリーン工業株式会社 様 図面検索と設計ノウハウの共有に時間が必要 図面検索を短縮し、若手教育にも活用

京都樹脂精工株式会社様…ベテラン頼みの見積りを標準化し、誰でも同じ流れでの作成が可能に!

樹脂精密加工を手がける京都樹脂精工様(京都府、従業員95名)では、見積り金額が担当者によって異なり、回答にも時間がかかるという課題がありました。見積り情報は『紙』で管理されていたため、過去の案件を探したり、ほかの社員と共有したりする作業も簡単ではありませんでした。

なかでも問題だったのが、営業担当者が不在のときに見積り業務が停滞すること。経験や知識を持つ人が戻るまで判断できず、お客様への回答を待たせてしまう場面がありました。

SellBOTを導入してからは、見積りの流れが標準化され、経験や知識の差に左右されにくくなったとのお声をいただいています。現在は、担当者を限定せず、誰でも一定の品質で見積りを作成できるようになっているようです。

見積り1件にかかる時間も「約30%短縮」に成功。以前は回答に丸一日かかっていた案件でも、午前中に回答できるケースが増えたとのことです。

クラウド上に見積りデータを蓄積することで、オフィスだけでなく、出張先やリモートワーク中でも業務を進められるようになりました。過去案件も検索しやすくなり、担当者の記憶や紙の保管場所を頼りに探す手間が減っています。

この事例から分かるのは、属人化の解消には、単に見積り時間を短くするだけでなく、誰が担当しても同じ流れで進められる状態が重要だということです。京都樹脂精工様は、ベテランの知識を活かしながら、担当者の不在で業務が止まりにくい体制へ変えています。

関連記事:『京都樹脂精工株式会社様|SellBOTで紙業務から脱却~ベテラン見積りが誰でも・どこでも・カンタンに~』

株式会社ファム様…図面検索の属人化解消で「検索時間90%減」に成功!

 記憶頼り脱却、図面検索時間90%減 〜SellBOTで加速する提案力と成長戦略〜

ファム様で問題になっていたのは、「過去の図面を探す時間」でした。計測器の設計・製作を手がける同社は、特注品を多く扱っています。

リピート注文が数年に一度のペースで入ることもあり、そのたびに昔の図面を探さなければなりません。しかし、手がかりは担当者の「記憶」と「わずかな記録」だけでした。

これでは担当者が変わったり退職したりしたときに、過去案件の詳細が分からなくなるおそれがあります。実際、図面を探すのに時間がかかり、お客様への提案まで間が空くこともありました。

そこでSellBOTをご導入いただいた結果、図面検索の時間は90%減少したとのご報告をいただいています。

さらに、次のような変化もあったようです。

  • OCR機能により、長い商品名などの入力時間を短縮
  • 社長が外出先からでも、見積り状況をリアルタイムで確認
  • 見積りの正確性が上がり、お客様との信頼関係づくりにも貢献

ファム様が導入を決めたのは、必要な過去の情報を、誰でもすぐ正確に引き出せる点だったとのこと。

検索時間の短縮に加え、過去案件を会社の情報として蓄積できるようになったことで、担当者が変わった後も業務を引き継ぎやすくなります。個人の記憶に残っていた情報を、社内で使える形へ変えた事例です。

関連記事:『株式会社ファム様| 記憶頼り脱却、図面検索時間90%減〜SellBOTで加速する提案力と成長戦略〜』

東洋スクリーン工業株式会社…図面検索を短縮し、設計ノウハウを“若手教育”へ

  SellBOTで変わる!変える! 〜70年老舗企業で進む図面活用と業務革新〜

3社目の東洋スクリーン工業様は、奈良県で濾過装置を製造する会社です。70年にわたり蓄積してきた図面や設計ノウハウを、社内で探しやすく、使いやすい形にすることが課題でした。

以前は、必要な図面を見つけるまでに1時間ほどかかることも珍しくなかったとのこと。過去の資料があっても、どの言葉で、どこを探せばよいか分からなければ、当時の案件を知る社員の記憶に頼ることになります。

SellBOTを導入してからは、キーワードや客先名、用途などから目的の図面を探せるようになり、図面検索にかかる時間が大幅に短くなり、担当者はほかの業務へ時間を使えるようになったとのご報告をいただいています。

変化は、図面を探す時間の短縮だけではなく、蓄積された過去の設計ノウハウを、若手社員への指導や教育にも活用できるようになったようです。

営業や生産管理の担当者も、類似品の実績確認や見積り作成にSellBOTを利用しています。設計部門だけが知っていた情報をほかの部門でも参照できるため、社内全体の情報共有にもつながっています。

ベテランが持つ知識をすべて文章にするのは簡単ではありません。それでも、過去の図面と設計実績を若手が自分で探せる状態にすれば、実際の案件を教材として使えます。東洋スクリーン工業様は、長年のノウハウを人から人へ引き継ぐだけでなく、会社の情報として次の世代へ残している事例です。

関連記事:『東洋スクリーン工業株式会社様|  SellBOTで変わる!変える!〜70年老舗企業で進む図面活用と業務革新〜』

まとめ:自社に近い事例が、属人化解消を考える手がかりになる

熟練者の技術は、製造業にとって大切な財産です。3社の共通点は、その知識を「誰か1人の記憶」から「誰でも参照できる仕組み」に変えたことです。

この記事のまとめ

・属人化は、特定の人の知識や経験がなければ業務を進められない状態
・解消方法は、業務手順の標準化とデジタルツールの活用
・京都樹脂精工様は、見積りを標準化して誰でも作成できる体制へ移行し、作成時間を約30%削減
・ファム様は、担当者の記憶に頼っていた図面検索の時間を90%削減
・東洋スクリーン工業様は、図面検索を短縮し、過去の設計ノウハウを若手教育にも活用

SellBOTでは、見積り機能と類似図面AI検索機能を使い、過去の見積りや図面を一か所で管理できます。自社に近い事例があれば、属人化解消を検討する際の材料になります。

SellBOTが自社の業務に合うかどうかは、実際の画面や運用方法を見たうえで判断できます。デモでは、現在の見積り体制や図面管理に合わせた使い方を確認できます。

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